確信犯



その時――


何が起こったのか。


一瞬、分からなかった。






さっきまで苦悶していた男が。


私の下着を剥ぎ取ろうとしていて。






「み、やび――ミヤビ……雅っ…」






母に全く、似なかった私を。


母の名前で呼ぶのは。


白澤有雅、その人。






白澤有雅の目は。


劣情を、催していた。






私の全身に、


悪寒が走って――


胸の先端から母乳が滴る。






匠に。


触れた時の鳥肌とは、まったく比べモノにならなくて。






私の記憶の糸口まで。


引っ張られてしまう。






あれは――


母と白澤有雅の、最期の光景。





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