確信犯



今までみたいな。


奪い合う感じじゃなくて。


いたわるように、優しくて。






とても、困惑する。






――多分、こういうのも


シアワセ、っていうんだ






泣きたくなるほど、優しくされて。


ホドけ切ってない心が、持っていかれそうになるのを堪える。






前よりも分厚くなった、匠の胸が。


私を息苦しくさせるのを手伝って。






ギュッ、と唇を噛みしめた。


途端。






「カラダでしか語り合えない関係なんて、ヤだったんだよ」






カラダの奥を。


匠自身に、掻き回されて。


何もかもが、溢れそうになった。






意味もなく、祈りたくなる。


オネガイ――オネガイ……





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