確信犯
「いーや?白澤印刷の株価の動き見てて、白澤印刷のニュース媒体見てて、こんなコトだろうと先回り」
そう、なの?
ニッコリ笑う美濃部さんの口髭に、カフェオレの泡がついていて。
やっぱり。
気が抜ける。
「一ノ瀬さんのミニ王子様は、あのヒトのじゃなかったの?」
まさか…。
「あ、違う違う。僕がムスコだからって、変に責任取ろうとか思ってプロポーズしたんじゃないよ?」
ナゼか。
心の動きには聡いんだ。
思わず、笑みが溢れる。
「尚更、無理ですね」
「僕とのケッコン?」
「はい。私も、白澤有雅の“ムスメ”なので、無理です」
仰け反った美濃部さん。
さあ詳しく、聞かせてもらおう。