確信犯



「本日の株主総会で、僕が代役になる事を皆様に認めて頂く予定です」






――……そうか


今日は、株主総会だったんだ






総会の準備のために、白澤有雅の足留めが必要だったのかも知れない。





八重は。


姿勢よく立つ政宗を盗み見た。






やはり、白澤有雅の母に似ている。


ろうけた美しさ。






個人的に逢いたいなどと、望んだことさえなかったのに。


このような形で逢ってしまうとは。






艶然と微笑む政宗が。


白澤有雅側にいるなんて。






寒気がする。


長年大事に大切にしてきたものが。


粉々になるばかりか、真っ黒に穢されたと思えるほどの衝撃だった。






八重は。


痛みと悔しさを、噛み締めた。


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