確信犯



このケダモノの言う通り。


匠の心を守ろうと思えば。


白澤有雅が仕組んだコト全てを、“隠す”という羽目に陥る。






それは奇しくも。


白澤有雅を、守るコトにも繋がる。






私が。


白澤有雅を、庇う。


こんな、屈辱はない。






白澤有雅の転落。


白澤有雅の失墜。


白澤有雅の破綻。






それを願って、生きてきた私に。


白澤有雅を、庇わせる。






世論には。


下手に反論もできなくて。


時が風化させるのを、ただ待つように仕向けられたコトも。






匠が。


独りで過ごした学生時代のように。


もう、傷付かなくて済むタメにも。






――黙秘、したら


結果的に白澤有雅を庇ってしまう





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