確信犯
私の指と――指の間に。
ナニかが差し込まれた、感触。
匠の、指だ。
匠の体温が、
私に力を与えてくれる。
兄妹だったから。
匠と、道が交わった。
この繋がりは。
とてもとても価値のある、
大切で貴重なキズナだと、
思い知る。
だったら私は。
ココへ導いてくれた存在に、
感謝だってすべきだ。
失神するほど技を遣われなくても。
匠が触れるだけで充分、
この上なく翻弄されるし。
甘美すぎる感覚を与えられる。
切なく痛んで、
違和感なく肌に馴染んで、
狂おしいほど欲しいと思えるモノ。
この手が
指が
匠が
すごく、好き――