確信犯

❇~❇~❇



美濃部さんの迅速な対応のお陰で。


病院へ担ぎ込まれた奥平チーフ。


と、私。






奥平チーフは。


臓器損傷の一歩手前で。






細身のペーパーナイフを、


下手に抜いたり、動かさなかった美濃部さんの判断が。


褒められていた。






私は。


やっぱり右耳の中へ。


一瞬でも。


ペーパーナイフを、力任せに押し込まれていて。






カタカナの『コ』の字の形をしているらしい“耳骨”の一角が。


折れていた。






つまり。


鼓膜を突き破られた上、その奥にあった耳骨を骨折。


右耳の聴覚機能が損傷していた。





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