確信犯



奥平チーフの心を思ったら。


謝るのも違う気がして。


促されるまま、紙を開ける。






それは。


警察で事情聴取を受けているハズの、白澤有雅から届いたモノで。


手紙というより、メモだった。






《全てが終わったら

美也子の顔を見て謝らせて欲しい。

 白澤有雅》






私と同様の身勝手な、


白澤有雅の要求。






それでも。


奥平チーフは。


白澤有雅を待つんだろうと思った。






メモのような紙には。


一部、歪んだような跡があって。






“初めて呼ばれた名前”






その部分の紙質が、恐らく。


奥平チーフから流れた“水分”で。


変形していたから。


< 425 / 500 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop