確信犯
それでも1番、気を惹かれたのは。
匠の寄宿学校時代に、
信頼できる仲間がいてくれたコト。
そのコトに安堵しつつも。
今回は、匠に頼みごとがあって。
「あの…ね。前もらった特効薬、あげてもイイでしょうか?」
「…敬語。それは構わないし、用意しよっか?誰に贈るんだ?」
匠は。
たまに勘を、はずすから。
「……政宗」
「…は? 政宗?ってあの政宗?」
コクン、と頷いて教えると。
匠はまだ、怪訝そうなカオ。
「エイズウィルスの特効薬なんて、政宗に持たせてどーすんだ。アイツはそーいう関係を誰と――」
「――っ!渡せばわかるの!お礼代わりのお守りに、渡したくて…」