確信犯
だまってたワタルが、きゅうに。
お母さんとボクのまえにたって。
へんなオッサンと、女のひとをグイグイおしていく。
女のひとだけ、お母さんにあたまをさげて、あいさつした。
それを、みてると。
「カンちゃん――ありがとう」
って、お母さんのこえがして。
きゅう、ってだきしめられた。
「だいじょぶ?お母さん」
「うん、大丈夫。どんなに、誰かを憎んだとしてもね。同時に、同じくらいの強さで……誰かを愛してしまうことがあるって、知ってるから」
「…かえろっか」
「…そうだね」
あれがダレでも。
なんでもいーよ。