私と上司の秘密
アパート前の道路に、課長の車が停まって
いて、助手席側のドアにもたれて立っていた。


私の足音に気付いたのか、私の方を見た。


私は、小走りに課長の方へ向かい、課長の元へ
行った。


「今から、メシ、行かないか?」

「えっ、い・今から、ですか?」

課長が、突然、予想外の事を言ったので、
驚いた。


「凛、俺と行くの、何か、都合悪いのか?」

『今さら、私の都合も聞かず、悪いも何も
ないと思うが…。』

「大丈夫です。」

「凛、一瞬、間があったけど、本当は、
俺と行くの、嫌なんじゃないか?」

課長は、下を向いて私の方は見ずに、小声で、聞いてきた。


「全然、嫌じゃないです。」

私は、思いきり首を左右に振って答えた。

「そっか、じゃあ、今から、行こうか。」

課長は、そう言って笑顔で、こちらを見た。


課長は、私より年上の人にも関わらず、一瞬、
何故か、可愛く見えた。
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