私と上司の秘密
元来た道を車で走らせた。


車の窓越しに夕日が射し込み、課長の方を照らし出していた。


その照らし出しされた課長の顔は、魅惑的に
見えた。


課長の魅力に誘われるように、無意識に、
私の右手の人差し指で、課長の左手の甲の
血管の筋をなぞっていた。


一瞬、課長の体が震えたように見えた。


すると、課長の左手を私の右手に絡めてきて、私の手を繋いできた。


私は、思わず課長の顔を見てみるが、課長は、
運転中で、正面を見ていて無表情のまま
だった。


課長の左手は、温かくて、心地良くて…。


私もさらに強く繋ぎかえした。






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