私と上司の秘密
「宮下はさあ、俺の手、好きなんだよね?
好きなだけ、満足するまで、思う存分触らせてあげるから、俺の願いを聞いてくれない?」

「お願いと言われても…。」

言葉に詰まる。


私は、頭の中で、課長の言葉の意味を整理してみたが、意味が理解出来ずによく分からなかった。


それに、課長は私に微笑みかけているようにも見えるが、何だか目は、笑っていないようにも見え、怖いような気さえする。


「難しいことじゃ、ないよ。
とっても簡単で単純なことさ。
俺さあ、宮下の脚が好きなんだよね。
足首のその適度な細さとふくらはぎと太ももの適度な肉付き。
その締まり具合 。
本当に、素晴らしい脚を持っているよな。」


「えっ?」

課長は、私の脚のことについて語っている
みたいだが、そんな風に自分の脚を褒めて
もらったことはないし、大袈裟過ぎるようにも思える。

「そんなの普通ですって…。」

そう私は、答え返すと、

「そんなことはない!
最高の脚を宮下はもっているよ。」

会社では見たことがない、魅惑的な顔で、
口元だけ笑みを浮かべていた。


「宮下は、俺の手で、俺は宮下の脚で、お互いが満足のいくちょうどいい条件ではないかと思わない?」


思わないとそう言われても、困る。


思考回路をフル回転させても、私には理解が全く出来ない。


『ただ私は、理解力がないだけだろうか?』
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