記憶ノ時計
みぃちゃんが帰るのを見送ったあと、部屋に戻るために階段を上がっていると、涼馬が降りてきた。


「涼馬!」


「ああ、綾那」


涼馬はにっこりと笑う。私は階段を駆け上がり、涼馬の近くに行った。


「あのね、私明日学校行くことにしたんだ。みぃちゃんもいるし、いいよね?」


すると、涼馬は驚いた顔をした。


「そうなのか?大丈夫か、まだ気持ちの整理もついてないだろ?」


「ああ、それなら気にしないで!怜馬もみもいるから!!」


私が期待に満ちた目で涼馬を見つめると、涼馬はちょっと考えてから言った。


「でも、学校に行って皆に今まで休んでいたことを問い詰められて混乱したり……」


心配そうな涼馬のお腹を私はパンパンと叩いた。


「もー、心配症だなー涼馬。私は大丈夫だから!」


「そうか……」


涼馬はまだ心に引っかかりを感じていたようだった。
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