ルーム★シェア〜大嫌いなアイツと同居中〜
「やっ……だ!離してっ……!」
そんなことを言っても、当然相手に離してもらえるはずもなく。それどころか、さっきよりも強い力で腕を掴まれてしまう。
相手は帽子を目深に被っているため、あたしからは相手の顔がよく見えない。
「やっとつかまえたよ、柏木さん……」
相手の男が、ニヤリと不気味に笑う。
あまりの恐怖に、もはやあたしは声も出ず、そのうえ今辺りは誰もいないから、この状況に気がついてもらうことさえできない。
あたしの腕を掴んでいない、男のもう片方の手が、あたしの首のほうへと伸びてくる。
やだ……。怖い、怖いよ。
どうしよう。あたし、このまま一体どうなっちゃうの!?まだ、死にたくないよ。
お願い、誰か助けて────。