BEAST POLICEⅡ
ガクリと、跪く。

もう足が動かなかった。

前に進む事は勿論、立ち上がる事も出来ない。

見つけたと思った自分以外の人間さえも、中毒者だった。

しかも自分より年下の、あんな可愛らしい少女までもが…。

10代の少女にさえ、バスソルトが蔓延していたという事実。

その事実に絶望し、立ち上がる気力さえ失くす。

守ってくれる者も、守るべき者も、もうこの街には残っていない。

人食いの化け物しか残っていない。

もう…駄目だ…。

擦り寄ってくる数多くの足音を聞きながら、跪いたまま、美奈は項垂れる。

もう諦めるしかない。

そう考えて、ゆっくりと目を閉じる…。

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