BEAST POLICEⅡ
愕然とする進藤。

「お、俺がですかっ?」

「お前の持っている銃は飾りじゃないだろう。俺のグロックより、威力も射程もある。ここからでも十分に中毒者を狙える筈だ」

「……っ」

進藤は緊張に、ゴクリと喉を鳴らす。

彼は自衛隊員だ。

小川分隊長の下で、日々訓練に勤しんでいる。

射撃訓練も何度も経験した。

しかし、人を撃った事はない…。

「撃て、進藤」

クリスは言う。

「ここで足止めされている暇はない。このままでは俺もお前も、あの狙撃手に射殺されるのを待つだけだぞ」

「っっ…」

小さく震える進藤。

彼の握る89式小銃が、カタカタと音を立てる。

こんな震える体では、狙撃などまともにこなせはしない。

それ程に彼は脅えていた。

銃を撃つ事に。

人を撃つ事に。

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