辛口な君は苦手です


走り出すと後ろから私の名前を呼ぶ神崎の声が聞こえる。




「待てよ、植竹っ!!!」




私はその声がきこえなくなるまで走り、
空き教室へ逃げ込んだ。





神崎、麗奈ちゃんのこと、好きだったんだ。




私に意地悪してたのはからかってたって気づいてたけど、あそこまで言わなくたって…。




気がつくと涙が頬を伝ってスカートにポタポタと落ちている。



神崎のことが、よくわからないよ。
ショコラ屋さん行った時の優しい笑顔の神崎。
風邪を引いた時の少し弱った寂しい子どもみたいな神崎。





ねぇ、本当のあなたはどれですか…?




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