優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)

「………。」

離れていく玲花さんの背中を見つめ

エレベーターの前で残された私は

あの女子社員の事を思い出していた。


……誰だったかな?

名前はさすがに思い出せないけど

同期ではない事は確かで

私より後に入社している子だと思う。


その時、ふと思い出した。

あっ、あの子…企画開発課で

優雅さんの部下の女の子だ。

間違いない…思い出した。


以前トイレに入った時に

他の女子社員と一緒にあの子が

優雅さんと武内課長代理の事を

『厳しくて頭にくる。』とか

『あの人達のせいで息が詰まる。』等と

自分達の事を棚に上げるかのような

話題を含めながら

グチグチと悪く言っていたから

何事もなくトイレを出る振りをしながら

心の中で私は怒っていたんだった。



そんなあの子が玲花さんに何の用?

仕事の話ではないと思うし

玲花さんは何かを察知して

場所を変えたのかもしれないけど

いい話じゃないと思う…。


あの目つきも尋常じゃない。

考えてる暇はない。


………優雅さん!!

私は来た道を振り返り

社食の方へと探しに行く事にした。





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