優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)

また黙ってしまった私に

「…ほらほら、舞ちゃん。
また難しい顔になってるよ。」

聖ちゃんは私の頬をつつくと

「大丈夫だよ。
舞ちゃん、自信もってよ!!
一度赤羽主任に振られても
強気でめげずに
向かっていったんでしょ?
諦めたくなくて頑張ったんでしょ?
同期仲間として、一番近くで
舞ちゃんに熱烈なアプローチしてた
石田さんを振ってまで
遠距離の赤羽主任を想い続けたんだから
その愛を貫かないと
振られた石田さんが報われないよ。
舞ちゃんは遠距離でも
毎月の出張で必ず会えるんだから
恵まれてる方だよ。」

「………うん。」

そう頷いた私に

「…それに。
後3ヶ月で8月じゃない?
…舞ちゃん出すつもりなんでしょ?」

と、聖ちゃんは少し寂しそうな

顔をしながら聞いてきた。

「……あ、うん。
出そうかと思ってる。」

私は頷きながらポツリと呟くと

「…そっか。
アレは毎年、狭き門らしいよね。
まずは課長の許可が通るといいね。」

聖ちゃんもそう言いながら

少し遠くを見つめた。



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