僕らの明日の話をしよう

「だから、今日でさよなら」


「……ざけんな」


「ごめん」


「ふざけんなよ!!」



地面に叩きつけたボールが大きく跳ねて、フェンスにぶつかった。


ちらつく雪が邪魔だった。

綺麗でもなんでもなく、邪魔で、鬱陶しくて。


何もかもが、ひどく俺に冷たかった。



「ごめんね、光太」



俺がいくら叫んでも、綾センパイは俺を見なかった。


別れを撤回してくれなかった。

背を向けてから、振り返りもしなかった。



俺はふられた。


大好きな人に。

最愛の人に。



もうこんなに人を好きになることなんて出来ない。

そう思えた人にふられた俺は、新しい恋なんてこの先一生できないだろう。



だって俺はまだ、綾センパイのことが好きだから。




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