秘密の歌は俺へのエール
とりあえず私じゃ運べないし誰か呼ばなきゃ!!
立ち上がろうとすると星都の手が私の腕を掴む。

「なつ…ひ…」

うなされるように私の名前を呼ぶ。

「大丈夫だよ、人を呼びに行くだけだから。」

そう言っても星都の手は離れない。
すると向こうから野球部の部員らしき人が駆け寄って来た。

「こりゃ来て正解だったな。」

「えっと…」

「とりあえず緒方、保健室に運ぶわ。」

「あっお願いします!!」

そう言って星都を抱える。
そして保健室に星都を寝かせた後、

「運んでくださってありがとうございました!!」

「いえいえ、可愛い後輩ですから~あ、夏日ちゃんだっけ?」

「は、はい!!あれ?でもどうして…」

「そりゃまぁ、学校中で有名だし~」

私、有名になるようなことしたかな?
もし変なことで有名になってたらどうしよう…
そんな考えをよそに、

「俺は野球部3年の谷川。緒方が熱あるって知って帰るように言ったんだけど、かなりフラついてたから心配で来てみたら案の定倒れてやがる。」

「そうだったんですか…朝いつも通りだったので気づきませんでした…」
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