秘密の歌は俺へのエール
そう七美と会話してると、教室の扉の近くが騒がしいことに気がつく。


「何だろうね。」


ふと1人の男子が私達のほうに近づいてくる。


「夏日、何で学園一の王子様が私達のほうに向かって歩いてくるわけ?」

「がっ学園一の王子様!?っていうか私が知るわけないでしょ!」


そんな言い合いをしてるうちにその王子様は私の前で立ち止まる。


「白河 夏日さん?」


わ、私の名前!?何で知ってるの!?しかもすごい爽やかな笑顔!無意識にやってるのかな?
顔も女の子顔負けだ。学園一というのも納得できるかも。


「そうですけど…?何か用ですか?私、あなたのこと知らないんですけど…」

「フッハハハ…」


急に笑いだす王子様。


「俺、緒方 星都。」

「緒方くん?」

「星都がいい。」

「じゃあ星都くん。」


すると私の前の机に両手をつき、少し膨れっ面で、


「星都。」

「せ、星都。」

「ん。」


満足そうに笑う。何か可愛い…


「ってことで黒沢さん、この子ちょっと借りていい?」


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