空恋 ~君が残したメッセージ~
リビングに入ると
母さんが笑顔でテーブルにある
何かを俺に差し出した。
「じゃーんっ!
キルフェボンのタルトだよ!!!!」
は?『キルフェボンのタルト』…?
母さんが持っていた物を見ると
そこにはボリュームがあるイチゴが
タルトの上にどっさりと乗っていた。
「どうしたんだよ、それ…」
キルフェボンのタルトって
1ホール7000円越えるくらい高いやつだよな。
目の前にあるのは1ホール…
まさか、買って来たのか?
親父に怒られるぞ…
「違うわよ!お隣さんから頂いたのよ。
引っ越して来たからって」
俺に反発するように頬を膨らませる母さん。
いや、そんな顔息子にしたって意味ねぇぞ。
まぁ母さんの場合無自覚だからな。
親父も困ったもんだ。