あまのじゃくな彼女【完】


それにしても今日はスタッフが多い。うちの社員というより、舞原さんのアシスタントがほとんどのようだ。
せわしなく動き回る人混みの中、きょろきょろと周りを見渡す。


「おぉーい吉村!」

ごった返すスタジオの中でも、体躯の良い姿は目立つ。頭ひとつ飛び出した2人の元へすり抜けていった。


「おはようございます、係長・山下さん」

ようやく目当ての人に会え一安心。思わず顔も緩んだ。

「おう、今日はありがとうな。舞原さん、絶対吉村呼べってだだこねるんだもんな。助かった」

「いえ、お安いご用です。私も舞原さん会うの楽しみでしたし」

ふふっと笑って答えると、突然表情が固まった山下さん。

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