あまのじゃくな彼女【完】
お父さんと宏兄の間に座るシュンちゃん。毎日のように顔を合わせる私は特に話もないし、離れた席に陣取る事にした。
「めい、何であいつがいるんだよ」
鉄板をつついていたその箸を苦々しくくわえたまま、大地が私に聞いてきた。
「あいつ?ってシュンちゃんか、そら主役だもん居るわよ」
行儀が悪い、と頭を小突いてやったけどさほど気にしていないようだ。それより遠く離れて座るシュンちゃんを睨み付けるのに必死だ。
そんな大地を構っていてはお肉がなくなる。大地を気にするでもなく、自分の空腹解消に集中する。
「タケさんから聞いてないの?今日はあの人を囲む会なのよ」
「じぃちゃん詳しく教えてくんねぇんだ。あいつ何なの?こないだ大会にも来てたし」
私の箸の動きに気付いた大地は、睨み付けていた視線を鉄板へと戻し食料確保を再開させた。
「んー昔、道場にいた人。言わば大地の大先輩ってところよ」
「ふーん。あいつ強いの?」
大して興味無さそうにしておきながら、一応形式的にって感じに聞いてきた。
「そうねぇ・・・強かった、かな」
なんせ小学生の頃の曖昧な記憶しかない。記憶の中のシュンちゃんは、私の中で最強だったけど。確か宏兄ともまともに張り合ってた気がするし、それだけでも十分強い方だろう。