あまのじゃくな彼女【完】
「仕事ドタキャンするとかモデル降ろさせるとか、色々噂あるけどちゃんと理由があるんだよ。撮影に呼んでおいて全くサイズの合わない衣装だったり、裏で陰湿な嫌がらせされてる相手との仕事だったり」
「へぇ、係長詳しいですね。噂がすべてってわけじゃないんですね」
「あぁ・・・まぁね。仕事の相談とかたまに受けてたから・・・」
それまで山下さんを見ていた視線をチラっと私にむけると
「わがままな所あるけど、仕事の面では尊敬してる」
じっと私の顔を見ながら言った。
なんでわざわざそんな目をして言うの?
何も聞きたくない、と逃げてきたけど・・・こんな答え方ってないよ。
やっぱり綾江さんは大切な人なんだ。
それがシュンちゃんの答えなんだ。
「はい、じゃあお願いしまーす」
舞原さんのプロらしい声にハッとすると、慌てて意識を仕事へとむけた。