あまのじゃくな彼女【完】

路地裏に入ると、ちょっと古いビルが並んでいた。
アンティークな雑貨屋さんに、レンガ造りのレトロな喫茶店。
なんか秘密基地っぽいお店が多いし、この辺穴場だ!
新しいお店を開拓して、一気に気分も上がる。

ここのアクセサリー可愛いし安い!由梨にも教えてあげよ。

お店めぐりに夢中になっていると
ふっと、あの香りに近づいた事に気づいた。

香りのする方へとふと目をやると、少し離れた所に1組の男女が立っていた。

男のほうは私に背をむけていてよくわからないけど、女性は遠目に見てもかなりの美人。

サラサラのロングヘアが艶っぽく天使の輪ができている。
細身のパンツにかなりのピンヒールを合わせていて、いかにも大人の女性って感じだ。
女性が男の服をつかみ、顔を少し傾け甘えるように話しかけている。



ここまで見てようやく気が付いた。

2人が立っている所、出入り口には大きなカーテン、表には“ショートステイがお得!”との売り文句。
加えて、今はネオンが消えているけど夜にはまぶしく光りそうな看板。
いかにも・・・だ。


うわぁ・・・お昼からお盛んですね・・・っと。

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