You are The One.
「……。」


「?もしもーし?」


「…勇大…。」


この声。


「なんだよ、急に。

俺置いて出てってから、電話してくんのはじめてだな。」


「勇大…」


「何?」


「ごめんなさい!」


!!!


「本当に、本当に今までごめんなさい!

私ね、彼の残していった、大切な彼との子どもに、どう接したらいいかわからなかったの。

あなたと彼には、本当に取り返しのつかないことをしたわ。

でも、あなたのこと愛してる。心から…」


「…なんだよ急に…。

今まで気にしてなかったくせに、どういう心境の変化?」


「気にならなかったって…そんなわけないじゃない!

自分の大切な息子だも…

でも、そう思わせてしまったのは、仕方がないわね。私が悪いんだもの。


心境の変化…かぁ。

私ね、ずっとあなたと話したかった。

この間だって、そのために日本に帰ったのに、結局勇気が出なくてね…」
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