浮気亭主と借金地獄妻(短編)
「ごめん。せっかくの休みなのに構ってあげられなくて」

「お昼から?」

「うん。 昨日やり残した仕事を思い出しちゃってね。 明日の朝一番に提出しなきゃならないんだ」

「ざ、残念ね………もっと早く出掛けたら?」

「え?」

「え?」

「…」

「私、なんか言った?」

「いや、僕の気のせいかな」

(なんだかおかしい。絶対奴は何かをキャッチしている。やっぱり今日はおとなしくここにいたほうがいいのか?でも久しぶりにM子の≪あの声≫も聞きたいし…)


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