涙々~RUIRUI~
オワカレ

一々


そしてわたしは抱かれて、今は家に帰り自分の部屋のベッドに潜っていた。
「…っ……」
お腹が痛い。涼哉のときには、こんな痛みあっただろうか…。正直わからないけど、なかった気がする。願望かもしれないけど…。
コンコン…
軽くノックされて、ドアが少し開く。
誰だと思い、上体を上げると声がした。
「ツっちゃん、あのさ…」
この声は、涼哉だ。遠慮がちに話してくる彼は、何か戸惑っているようだ。
「なに?」
「…その……」
ドアが少し動く。ノブに手を置いたままなのか、閉まったり開いたりをユラユラと繰り返した。
「入っていい…?」
「うん」
ベッドから床に足を下ろして、涼哉もベッドに座れるようにスペースを作る。彼はここでも遠慮がちに、わたしに顔を向けないでベッドの隅に座った。
一体、何の用なんだろう…。
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