°°ワガママの果て°°
「離れないよ…離れ…ない…」


ぐちゃぐちゃの泣き顔で
飛び込んだ悟くんの胸。



ギュッっと抱きしめ返してくれた温もりが再会までの痛くて苦しかった記憶を蘇らせた。




大好きだったのに
すれ違い、素直になれず…
”もう連絡してこないで”
そう言って
連絡を断って泣き過ごした日々。


他の愛を無理矢理求めて堕ちていた。



悟くんのいない日々は
世界から色がなくなったみたいで…
灰色の世界に無理矢理
色を塗りたくりながら違和感のある景色の中を過ごしてきた。





悟くんの胸の中、
流した涙は2年半分の涙だった。


やっとまた会えたんだから…
わたしだって
”もう絶対離れたくない”




だったら付き合えばいいのにね。

”答え出さなくていいから”

その言葉に、優しさに…

わたしは甘えている。





わたしはズルイ。


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