°°ワガママの果て°°
「ねぇ……悟くん…」


消えそうな声がポツリと落ちた。


「ん?」



いつもと同じ悟くんの返事。
たった一文字、一言の優しい音。



屋根の付いたベンチに座るふたり。
手を繋ぎながら
悟くんの肩に頭をチョコンとのせた。


「なんでもない…♡」


「なんだよ?」


「………ねぇねぇ……」


「なに?」


「………幸せ?」
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