°°ワガママの果て°°
「あっ…お母さん大丈夫?」



そっと目を開けた母にゆっくり問いかける。



「園夏……ごめんね」




申し訳なさそうに言った母の顔は
今にも泣き出しそうで目を瞑りたくなる。



きっと母も何かを抱えてこうなっている。
いつだって父の言いなりで
わたしのせいにばかりするけど…
そうしていなければ
やっていけないナニカがあるのかもしれない。





わたしだってそう。
この家に生まれた運命のせいにして
自分からは何も進めないままでいる。








1番大切な人を守るために
向き合わなければならない現実。
この運命を受け入れなければ
それを守ることはきっと出来ないから…。



これ以上傷つけないために…
そっと心に決めた。







夜病院を出るとほぼ同時に
バックの中の携帯電話が鳴り響いた。
すぐに誰だかわかる特別なメール着信音。


見上げた空は満天の星空で…
輝く星達は少しずつ霞んでいく。




静かな空気に鳴り響く音が
”さよなら”の瞬間を告げる。
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