怨ーline
 私の目の前には彼女の部屋がある。
彼女は其処で引き籠ってしまったのだった。


(イイキミだ)
そう思いながらカーテンを閉めた。




 スマホが鳴っている。
怨ーlineだけど相手が友里亜だったから、寝そべりながら操作することにした。


――彼女どうしてる?――


――彼女って?――


――退学した彼女よ――


――えっ!?――


――彼女の部屋って、確か目の前だったわよね?――


――何で知ってるの?――


――彼女に聞いたのよ――


友里亜は私だけの友達じゃなかったのだ。


――彼女相当ショックを受けていると思うの。だからそっとしておいてやってね――


――うん。そうするね――

友里亜のメールは私にもショックだった。




 私は急に、盗んだ携帯のことが心配になっていた。


私は目障りだった彼女を高校から追い出すことに成功した。
でもそれがが嬉しくて、始末することさえも忘れていたのだった。


(そう言えばあのガラケーは? 今何処にあるのかな?)


記憶を辿りそれを手に取り、その携帯を遠く離れた場所のゴミ箱の奥に捨てたのだ。




< 22 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop