怨ーline
 結局彼は私の学校へやって来たのだ。
そして嬉しいことに同じクラスになったのだ。


でも彼からその話を聞いた時不安がよぎった。
あの学園祭は、彼女から誘われたから行ったのだった。
つまり、凛が二人のキューピットだったのだ。


私はその高校に憧れていた。
でも自分の実力では入れないと判断して今の高校を受験したのだ。


だから、一度覗いてみたいと言ったことを覚えていてくれたのだ。


彼女は学園祭の情報を手に入れ、私と一緒に行ってくれたのだ。


私は彼女の行為を無にした。
だから心苦しかったのだ。




 でもそれとは別に、クラスメートの反応が見たかったのだ。
もし彼が彼女を見つめたらどうなるかを知りたくて……




 何故こんなことをしたのかって?
それは私が天然だと思われているからだ。


彼があまりにも素敵過ぎて、横取りされるかも知れないと考えたからだった。


彼には懐かしい人が私の隣の席ににいると告げたのだ。


そう……
私は大切な友達までも巻き込んだんだ。
凛には本当に悪いと思っている。
でも、どうしてもあの転校生を手放したくないんだ。
たとえどんな手を使ってでも……


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