眼鏡男子の脳内デフラグ【番外編】

そう。今日はクリスマス

世間の恋人たちは
どこかへ出かけたり、食事したり、プレゼントも渡したり

甘い時間を過ごしているに違いない



2人で過ごす初めてのクリスマスなのに

入院になってしまって

こんなに申し訳ないことはない



すると彼女は「なんだ、そんなこと?」と言って笑った


笑う理由が見当もつかない


僕はひどく落ち込んでいて
そのくせ彼女がこの部屋にいることが嬉しくて


でも彼女にとっては望んでいたクリスマスではないはず



「ホント、秋山くんって分かってないよね」

「??何がです?」



「ちゃんと、周りを見なよ」


キョロキョロと辺りを見るけれど

「何もないですよ?」



「白いじゃない」

え?


「この部屋は白いじゃない」

だから?




「ここだけ、ホワイトクリスマス」


………………………


そう、来ましたか


「桜子」

「なに?」



「カーテン閉めて」




カーテン閉めたら何をするって?

そんなの決まってます



他の人にはできない

僕たちだけのクリスマス






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