先輩とアタシ



『先輩、明日部活終わったら尋佳と一緒に宿題するから、先に帰ってて?』



帰り道で先輩に言った。



「分かった。お前宿題ちゃんとやってるか〜?」


からかうように、先輩はアタシの頭を掴んだ。



『やってるよぉ。今年は珍しくちゃんと進んでるの!』



「えらい、えらい。」



頭を掴む手を離す。



にっこり笑ってアタシを誉めてくれた先輩。



きゅーん



先輩の笑顔は、やっぱりいつになってもアタシをときめかせる。



『先輩は?』



「オレもあとちょっとかな?今日くらいで終われそう。」



『えらい、えらい♪』



先輩の真似をして、同じことを言う。



「明日1人かぁ。つまんねぇ。」



『へっ?』




「小夜居ないと楽しくない。」



また先輩が、アタシの心を締め付ける。



アタシを必要としてくれてる?



そんなことは初めてで、嬉しくて嬉しくて。



『アタシもつまんない!』


先輩が居ないとアタシは、ダメダメなんだよ?



「お前は、どーせ尋佳と一緒じゃん。」


『それは〜‥。』



答えに困ってるアタシ。


「尋佳のヤツ‥‥オレの小夜を取りやがって。妹のくせに(笑)」



そんなことを言う先輩は、目を細めて笑う。



あ‥その笑顔も可愛い‥。


先輩の色んな顔を見て、一つ一つ焼き付ける。



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