先輩とアタシ

波乱のバレンタイン?!



『ふぇーん。ひろかぁ‥。上手くできない‥。』


「もう!泣かないの!貸してみ。」


アタシの持っていたボウルを、尋佳が受け取る。


手際よくかき混ぜる尋佳。


『尋佳すごーい!!』


アタシはてこずっていたのに、尋佳は慣れた手つきでやっている。


「まぁね!小夜は型用意して。」


『はい!』


いきいきと返事をしたアタシ。

早速型を並べて、本に書いてある通りに、バターを少しだけ表面に塗った。


「よし!後は流し込んで、焼くだけだね。」


『うん。上手くできるといいなぁー!』


明日はバレンタインです!


愛しの彼に、チョコレートを作っているのではなく、27人分のカップケーキを、我が家で作っています!


ハンド部全員に、バレンタインのプレゼントをあげなきゃいけない。


本命は先輩だけなんだけど、これもマネージャーのお仕事。


それに、これができたら先輩の分のチョコレートを作るんだ!


尋佳と2人だと、失敗もしないから安心。


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