イージーラブじゃ愛せない



「飯、どこ行く?男としては今日ぐらいシャレオツな所に連れってあげたいんだけどな~」


駅をご利用の方々にこっぱずかしい痴態を晒した私とジョージは、お互い空腹を思い出しようやく駅から歩き出した。


「いいよ、いつものファミレスで。こんな時間からじゃ店探すの大変だし」


雪の道を並んで歩く私の手にはジョージのくれた紙袋。寒がりのクセにいつも薄着な私へ、マフラーのプレゼントだって。

そんで、ジョージの手には私からのプレゼントの箱。中身は、今日イベント行く前にブラブラ買い物してたら見つけたシャガールもどきの絵がプリントされた変なネクタイ。個性的すぎるネクタイ集めが趣味のジョージにピッタリだと思う。


「ファミレスでいいの?もっとシャンパン~とか、ローストビーフ~とかの方が良くね?」

「いいんだって、ファミレスでも居酒屋でも。あんたと一緒ならどこで食べたって美味しいんだから」


そう言って、雪の道をサッサカと機嫌よく歩く私。ちょっとだけ間が空いたあとジョージの左手がゆっくり私の右手に絡んだ。


「そだね。一緒に飯が食えるだけで超ハッピーだよね」


なんか私イイこと言っただろうか。こちらを見るジョージの顔がやけに嬉しそうだ。

ヘンなヤツめ。と思いながら、今日の私は機嫌がいいので笑い返しといてやる。

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