イージーラブじゃ愛せない



茜ちゃんが来た日の午後。


展示用の小物を取りに倉庫から戻って来た俺を

「ジョージ!ちょっとこっち来て!」

何故だかいきなりりんりんが腕を引っ張って、従業員用階段の影へと連れ込んだ。


「何~?いきなりどうしたのりんりん~」

「どうしたのじゃないよ!ジョージがさっき一緒にお昼食べてた子!あの人、元カノでしょ!?」


りんりんはすごい剣幕で俺に詰め寄る。あまりの勢いに後ずさったら、逃がさんとばかりに壁ドンされてしまった。あはは、りんりんの壁ドンちっこくて可愛いー。


「んーまあ、元カノっちゃあ元カノだよね」

「信じらんない!なんで?なんでふたりでニコニコご飯食べてるワケ!?」

「だって俺が彼女のサポート担当だもん。仕事の話もあるしさ~。それに茜ちゃん派遣だから他に親しい人もいないし。可哀想じゃん~ひとりぼっちで飯食わすの」

って、俺が答えた瞬間。

りんりんが思いっきり俺のスネをハイヒールで蹴りやがった。


「いぃーってえ!!!」

「馬鹿!大馬鹿ジョージ!!あんた、それを見た柴木ちゃんの気持ち考えないの!?」
< 128 / 245 >

この作品をシェア

pagetop