イージーラブじゃ愛せない


「ありがと。でも私、錠剤飲めないんだ。ごめんね」


せっかくだけど、差し出されたサプリをやんわりと手で押し返す。

それでも特に気を悪くする素振りを見せず

「酸っぱいものが夏バテにはいいですよ」

と穏やかに微笑んでくれる須藤さんは、性格のいい子だなと思う。


最近はすっかり彼女と相席する事が多くなった昼食。それなりに会話も交わすようになってきた。

須藤さんはちょっと引っ込み思案だけど、周囲に気遣いも出来るフツーのいい子。

そして。


「とか言って、茜ちゃんもあんま食ってなくね?」

「バレた?私もちょっと夏バテなの」


ジョージの新しい“友達”。





「どうしたの、りん?フグみたいな顔して」


昼食後、洗面所で一緒に化粧直ししていたりんは両頬を膨らませてたいそう不機嫌そうな顔をしていた。


「なんか、なーんかなあ。ジョージムカつく」


りんの不機嫌の理由は聞かなくとも分かる。けど出来ればそれは口に出して欲しくない。


「気にしなさんな。あれがいつものジョージだよ。昔っからそうでしょ」

「でもさ!今は違うじゃん!今は柴木ちゃんと付き合ってんだよ?目の前にいるんだよ?なのになんで須藤ちゃんの事ばっか心配するかなあ!?」

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