イージーラブじゃ愛せない


「りん、泣かないで。別に私たち別れたワケじゃないんだから。元々付き合ってない。セックスしてた友達が、しない友達に戻っただけ」


りんに見えないように涙を拭ってから見上げてた顔を戻し、ニコリと微笑みかける。


「……意地っ張り」

「分かってる」


今夜はもうこれ以上は勘弁してよ、りん。

ジョージの事ずっと友達だったって自分を説得させるのも大変なんだよ。



好きじゃない。恋人じゃない。傷付いてない。別れてない。

だから、明日も笑ってアイツとご飯が食べられる。



「そうだ。明日は4人で【もぎり】行こうか。改めて4人の友情に乾杯しよ」


笑って言った私に、りんはグシグシと涙を手で拭ってからコツンと拳で胸を叩いた。


「どんだけ意地っ張りなの、柴木ちゃん」

「まあね」


友達だよ、ずっと。私とりんと風間くんと、それからジョージと。

たわいない会話して、くだらない冗談言い合って、これからもみんなで明るく笑っていようよ。

傷付かない、失わない。


これからもずっとずっと、私たち4人友達でいようよ。





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