イージーラブじゃ愛せない


10月の気候は不安定だ。昼間は温かかったせいで油断していた私は、飲み会が終わって【もぎり】を出た後、いきなりヒンヤリとした風に吹きつけられてブルリと身体を震わせた。


「わ、いきなり温度下がったね」


店を出たりんもそう言って、手に持っているだけだったカーディガンを羽織った。


「少し雨が降ったんだね、地面が濡れてる」


黒く湿ったアスファルトを見ながら、風間くんも持っていたスーツの上着に袖を通す。

きちんとカーディガンを常備していたりんと、スーツの上着を持っていた男ふたりは運良くこの冷え込みを逃れられたワケだけど。


「~っ、さむっ!」


寄りによって1番寒がりな私だけが七部袖のカットソーで寒風に晒されている。うわ、鳥肌立ってきた。


「柴木ちゃん、大丈夫?私のカーディガン貸そっか?」


縮こまって腕をさすってる私を見兼ねて、りんがそう言った時。


「これ着てなよ」

私の背中にバサリとネイビーのスーツジャケットが掛けられた。
 
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