イージーラブじゃ愛せない



――なんか、眠れないな。


時計の針は午前2時。
朝早くから出発してバーベキューに行って、たった今なかなか疲れるセックスを2回もしたというのに。

身体はくたびれてる筈なのに、頭が素直に眠りに墜ちてくれない。


硬くて心地好くないベッドの上で静かに呼吸しながら瞼が重くなるのを待ったけど、どうにもその気配が起きないので私はあきらめて身体を起こした。

何か飲んでこようかな。

隣で寝てるジョージを起こさないように、静かに立ち上がろうとしたその時。


「どこ行くの?」


ふいに掛けられた声に驚いて振り向いた。


「あ、ごめん。起こしちゃった?」

「んーん。まだ寝てなかったから」


そう答えたジョージの手が、私の手首をゆるく掴む。


「帰らないよね?」


電気を消した部屋ではよく見えなかったけど、きっと彼らしくない表情をしてると分かる声だった。
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