イージーラブじゃ愛せない


「へー。やるじゃん」


パーフェクトのポイントを出してアトラクションコーナーから出てきた俺を、胡桃が感心しながら拳でつついてきた。


「カッコ良かったっしょ?俺、高校のときバスケ部だったんだ~」


近くのベンチに座ってひと息つくと、紙コップのジュースを買ってから胡桃も隣に座った。


「そうなんだ。ずっとやってたの?」


氷の入った紙コップのコーラを差し出してくれながら胡桃が尋ねる。


「うんにゃ。小・中学はサッカーやってたし、大学はテニサー入ってたから高校だけ」


ありがたく冷たいコーラを飲みながら言うと、オレンジジュースを飲んでいた胡桃の表情が苦笑いに変わった。


「サッカー、バスケ、テニス、って……。あんたそれ好きでやってたんじゃなくて『カッコいい』とか『モテたい』とかが目当てでしょ」

「バレた?」

「実にジョージらしいチャラい経歴だよね」


呆れを含まれながら言われちった。でも当時はそれなりに努力したんだぜ~。と、青春をちょっと振り返ってみたり。
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