黄昏の特等席
 アクアマリンのページに戻り、エメラルドがさらに詳しい説明してくれる。アクアマリンの輝きは持つ人に夢・希望を与えてくれる。勇気・希望という意味もあり、勇気づけてくれる希望の石。

「・・・・・・あれ?」

 読んでいる途中でグレイスが声を漏らしたので、エメラルドが顔を上げる。

「どうした?」
「エメラルドも希望をもたらす石だったような・・・・・・」

 グレイスは前に別の本を読んで、書いてあったことを思い出した。

「石にもそれぞれ力があるからな。同じものもあるさ」
「そうね」

 エメラルドのページに戻り、自らの持つ愛情を最大限に増幅させる効果もあり、一途さ、誠実さを授ける。疲れた心を癒し、イライラした感情を鎮め、思考能力をアップして精神的に成長する手助けもしてくれることも書かれていた。

「宝石にも効果があるから、不思議だね」
「アクア・・・・・・」
「ん? 何? どうしたの?」

 開いていた本は閉じられて、テーブルの上に置かれていた。
 自分の瞳をエメラルドに覗き込まれて、グレイスの鼓動が大きく跳ね上がった。

「やっぱりいつ見ても良い色だ・・・・・・」
「あの・・・・・・」

 目を逸らすことも息を吸うこともできなくなった。
< 144 / 194 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop