恋するリスク
驚いた私に、佐藤くんは再び視線を合わせてきた。

トクン、と心臓が甘く響く。

次の瞬間、私は完全に気づいてしまった。

また、会いたい。

偶然じゃなくて。

こうやって、約束をして、二人きりで。

この人が好きだと、私のココロは判断を下す。

なのに、自分の臆病な感情は、私のココロにブレーキをかけた。

「・・・うん。じゃあ、また・・・そのときに。」

「はい。また連絡します。」

自分も好きだと言いたくて、伝えそうに唇が動いた。

けれど。

「おやすみ」という言葉をかけて、私は気持ちを飲み込んだ。

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