恋するリスク
夕食を終えると、佐藤くんは私を家まで送ってくれた。

「私がお詫びする日だったのに・・・いろいろありがとう。

ごちそうさまでした。」

「いえ、こちらこそ。楽しかったです。」

お礼を言うと、暗い車内で佐藤くんと目が合った。

頬が熱くなるのを感じて、私は咄嗟に下を向く。

ごまかすようにシートベルトに手をかけると、借りたままのシャツの存在を思い出す。

「シャツ・・・ごめんね、洗って返すから。」

「ああ、いいですよ。そのままで。」

「でも、スーツも結局、クリーニングお任せしちゃったし・・・。」

これ以上迷惑をかけるのは気が引ける。

シャツを脱ぐ気配のない私を、ハンドルに手をかけたまま佐藤くんが見つめる。

彼はゆっくりと視線を前に向けると、思いついたように話し出す。

「・・・そうですね。

じゃあ、シャツを返してもらうっていう名目で、また、デートしてもらおうかな。」

「えっ・・・。」

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