俺だけみとけ!



教室に戻ると、るいが待ちくたびれていた。


そう、るいとも小学生の頃からの付き合いだ。



「明里が居なくなって待つの暇なんだから!」




るいはお弁当の包みを指で突っついた。


そう言いながらも、いつも先に食べないで待ってくれている…


根はいいやつなんだけど、口調をもっと女の子らしく変えたら、彼氏なんてすぐ出来そうなのに。


何度告白されて「あんたとは無理!」って断った事か…。



『わり、ちょっと緋色がさぁ』


『ちょっ、悠!』


「なーに、宮地先輩でしょ」




うっ!


付き合いが長いるいには全てお見通しな訳だ。



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